育成就労制度 運用要領の公表

2026年2月20日に育成就労の運用要領が発表されました。
これにより、技能実習制度から新制度への移行の具体像が明らかになりました。
育成就労制度は、単なる制度名称の変更ではありません。
制度の目的、在留資格の位置づけ、転職の可否、日本語能力要件、そして監理体制に至るまで、大きな見直しが行われています。
技能実習制度との違いを整理しながら簡潔にまとめます。
1. 制度の「目的」
技能実習制度
- もともと途上国への 技能移転・国際貢献 を目的として設けられた制度。
- 実際には労働力として機能してきたという指摘もありました。
育成就労制度
- 日本国内の人材育成と人材確保を主目的 とする制度。
- 受け入れ企業が計画的に技能や日本語を育て、現場で即戦力化を図る仕組みとされます。
2. 在留資格とキャリアの位置づけ
技能実習制度
- 「実習」を中心とした枠組みであり、終了後は帰国が前提とされてきました。
- 在留期間は最大で5年まで。
育成就労制度
- 「就労しながら育成する」ことが前提で、 日本での就労キャリアにつながる構造 を持ちます。
- 育成期間終了後は 特定技能制度 などへ移行して長期就労につなげる設計です。
3. 転職・職場変更の取り扱い
技能実習制度
- 原則として実習先の 変更・転職は認められない 仕組みでした。
育成就労制度
- 一定条件を満たした場合に 転職(同じ産業分野内)が可能 になります。
4. 受け入れ対象分野とスキル要件
技能実習制度
- 多くの職種・作業が対象(約90以上の職種・作業)。
育成就労制度
- 原則として 特定技能制度と一致する分野 を対象とし、体系的に育成・評価していきます。
5. 日本語・能力要件
技能実習制度
- 来日の時点での日本語能力要件はありません。
育成就労制度
- 初歩的な日本語能力(A1相当)が 入国時から要件として設けられる など、計画的に技能・言語を身につけさせる設計がされています。
6. 制度の位置づけと将来
- 技能実習制度は廃止 され、2027年(令和9年) 4月1日から育成就労制度へ移行 することが政府の政令で決定しています。
- 現行の技能実習制度は経過措置が設けられる期間があり、その間は併存する見込みです
7.監理支援機関の許可取得
育成就労制度では、技能実習の「監理団体」に代わり、監理支援機関が制度運営を担います。
重要なポイントは、
技能実習の監理団体が自動的に移行できるわけではないという点です。
育成就労制度で監理業務を行うには、
あらためて主務大臣(法務省・厚生労働省)の許可を取得する必要があります。
まとめ
技能実習制度から育成就労制度への移行は、単なる名称変更ではありません。
制度の目的、在留資格の位置づけ、日本語要件、転職の可否など、根本的な設計思想が見直されています。
とりわけ大きなポイントは、
監理団体はそのままでは育成就労を扱えないという点です。
育成就労制度で監理業務を行うには、
新たに「監理支援機関」として主務大臣(法務省・厚生労働省)の許可を取得する必要があります。
制度開始は2027年4月1日予定ですが、
準備不足のままでは円滑な移行ができない可能性があります。
早期に現状を確認し、必要な体制整備を進めることが重要です。
育成就労制度への移行対応をご検討の監理団体様は、
どうぞお早めにご相談ください。
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